【FPが解説】FIRE目指す人が知っておくべき生命保険の商品種類

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生命保険には医療保険、入院保険、三大疾病保険、介護保険、最近ではコロナ保険といった様々な商品があります。 多様な商品の中から、自身に合った商品を選ぶことは、簡単ではありません。

この記事では、私たちFIREを目指す人たちが知っておきたい「生命保険の主な種類」について簡潔にまとめています。生命保険を選ぶ際の一助になると幸いです。

結論

  • FIREを目指す人は、想定外の出費に備えるべく、死亡保障、医療保障、疾病保障等の保障性商品に加入すべき
  • 終身保険か定期保険で迷ったら、定期保険がおすすめ
  • FIREに向けて金融商品で資産運用している人は、外国債での運用に死亡保障がついている外貨建て商品がおすすめ
  • 加入すべき具体商品については、世帯構成や年齢、疾病リスク等によって異なる
  • 判断に迷うときは、新ラインできるファイナンシャルプランナーに相談しよう

生命保険の種類

生命保険には大きく保障性商品と貯蓄性商品の2種類があります。

保障性商品には、死亡保障と死亡保障以外の保証の大きく2種類があります。また、貯蓄性商品には保険料の支払い方によって毎月一定額を支払う「平準払」、一度で保険料を支払い切る「一時払」の他、運用資産が「円建て」か「外貨建て」か、または、予定利率が「固定」か「変動」かによって細分化されています。 

複雑なように見えますが、私たちFIREを目指す人が知っておくべき主な生命保険商品の種類と、どの保険種類に加入しておくべきかについて解説します。

FIREを目指す人にとって生命保険が必要かについて、こちらで詳しく解説しています

FIRE目指す人が知っておくべき保障性商品

保障性商品には、死亡保障と死亡以外の保障があります。 死亡保障とは、言葉の通り、被保険者が死亡した場合に保険金が支払われるものです。死亡保障商品には、大きく終身保険、定期保険、養老保険の三つのタイプがあります。

終身保険とは、保障が一生涯続く保険であり、被保険者がいつか将来亡くなった時には必ず支払われるものです。 定期保険とは、保証が一定期間のみに限定された保険で、例えば10年間や20年間といった期間の間に死亡した場合にのみ支払われる保険です。末子が卒業するまでの期間を保険期間として加入するケースが多いです。

 終身保険と定期保険を比較すると、必ず支払われる終身保険に対し、支払われる可能性が低い定期保険の方が保険料を安く設定されています。FIREを目指す人は、別の金融資産で退職後資金を準備しているため、終身保険よりも、一定期間のみ死亡リスクに備える定期保険をおすすめします

また、養老保険とは、死亡保障にも貯蓄ニーズにも備えたいという方向けの保険で、死亡した場合に保険金が支払われることに加え、一定の年齢に到達した場合に満期保険金などの給付金が支払われる商品です。

私たちFIREを目指す人は、死亡した場合の資金ニーズはなくなりませんが、退職後資産のための貯蓄については別の金融資産で備えているため、養老保険に入ることはお勧めしません。 

疾病・入院・介護等のリスクに備える

死亡保険以外の保障性商品は「生存給付」と呼ばれ、医療保険、疾病保険、入院保険、介護保険、就業不能保険、最近ではコロナ保険といった様々なものがあります。以前は生命保険会社は、死亡時にのみ保険金を給付することしかできませんでしたが、多様化する世の中のニーズに合わせて規制が変わり(第三分野商品の販売認可)、商品ラインナップも多様化しているためです。

私たちFIREを目指す人が入っておくべき保険死亡保障以外の保障性商品としては、想定外の支出に備える保険に入っておくことが望ましいと考えます。具体的には、FIRE計画で想定していなかった入院や手術、重大な疾病の罹患に備える「医療保険」や「入院保険」、「三大疾病保険」等に入っておくことがおすすめです。生命保険で備えることにより、想定外の出費があったとしても、早期退職する時のための資金をきっちり計画的に貯めていくことができるでしょう。

貯蓄性保険のポイント

貯蓄性商品とは、その名の通り老後資金等の将来の資金ニーズに備える保険です。貯蓄性商品には、保険料の支払い方法によって、「平準払」・「一時払」に区分され、運用の仕方によって「円建て」または「外貨建て」、その他にも予定利率が「固定」か「変動」により商品が分類しています。

一般的な貯蓄性商品は、平準払の円建て固定利率の商品、と、一時払の円建て固定利率商品です。平準払では、毎月一定額の保険料を支払うため、サラリーマンなどの定期的に一定の収入が入る現役世代の人に選ばれています。一方、一時払の貯蓄性商品については、使用予定のない一定のまとまった資金が手元にある場合に選択されるもので、例えば退職一時金を持っているリタイア直後の人や近々使うことのない大きなお金がある高齢層がこの方法で加入する傾向にあります。

円建て・固定利率の貯蓄性商品をおススメしない理由

私たちFIREを目指す人が貯蓄性商品について理解しておくべきことは、「運用効率」です。生命保険会社は、契約者から集めた資金(保険料)を元手に、資産運用して増えた金額を契約者に配当金などとして還元しています。 生命保険会社の運用におけるアセットアロケーション(資産配分)の多くは、「日本国債」です。 日本は低金利環境が継続しており、日本国債の利回りもかなり低水準となっています。もちろん生命保険会社は、日本国債以外にも、外国債券や株式(上場・非上場)、オルタナティブ資産等に分散投資していますが、資本規制上、日本国債を多く持たざるを得ない状況になっています。 

FIRE後の生活資金のために米国株で運用している方は、年平均少なく見積もっても「4%の運用益」があると考えている方が多いと思います。 しかし、生命保険会社が運用している日本国債では、利率はほぼ0%であるため、円建て・固定利率の貯蓄性商品については、私たちFIREを目指す人にとっては魅力的とは言えないでしょう

外貨建て・変額商品についてのポイント

それでは、外貨建て商品や変額保険ではどうでしょうか。 これらの商品は、例えば米ドルや豪ドルなどの外貨で資産を保有しており、預け先は基本的にはその国の国債になっています。例えば、米ドル建て商品の場合は米国債が運用先です。

この場合、日本国債に比べると運用利率は高い点はメリットといえるでしょう。一方で、為替リスクがある事については注意が必要です。

FIREを目指す人の中には、米国債で資産運用している方もいらっしゃると思いますが、その場合、米ドル建て生命保険の場合、貯蓄ニーズに加え、死亡保障ニーズ等の保障パーツがついてきますので、米国債に代わる投資先の一つとして検討すると良いでしょう。米国債で運用した場合、亡くなった時には時価で売却するなどのなどの方法で現金化されますが、外貨建て生命保険商品の場合には、死亡保障も付いていることから、支払った金額よりも多い金額が返ってくる可能性があります。外貨建て商品を購入する際は国債での運用はどのメリデメを比較した上で判断することが望ましいと言えます。

生命保険商品を選ぶ際に考慮すべき点

私たちFIREを目指す人が保険商品を選ぶ際に何を気にする必要があるのでしょうか。

生命保険に加入する人は、死亡時の葬儀費用や相続対策、残された家族の生活資金のために死亡保険に加入します。また、介護保険や医療保険、がん保険は、自身が生きていく上で想定外の出費が発生する場合に備えて加入します。他にも、自身の老後の生活費や、子どもの大学進学時の費用として、貯蓄性商品に加入する人もいます。

私たちFIREを目指す人にとって、それらのニーズがそれぞれどうなっているか、細分化して考えることで必要な保障にだけ備えるスマートな消費者になることができます。

まず、死亡時の資金ニーズに備える死亡保険については、人それぞれ、世帯構成がことなりますので、加入有無については区々といえます。葬儀費用を生命保険で備えておきたい人、残された家族のために生活資金を生命保険で備えたい人は、死亡保険に加入する必要があります。また、一定のまとまった資金があり、自身の生存中に資金を使い切らない、相続税対策をしたい、という方は、一時払終身保険に加入することが良いでしょう。但し、このニーズは、高齢になった場合の選択肢として残しておく方が良いと思いますので、FIREに向けて資産を増やす段階の人は考慮する必要はないでしょう。

次に、介護保険や医療保険、がん保険といった、自身が生きていく上で想定外の出費に備える保険の加入はどう考えるべきでしょうか。高齢化が進む中、私たちは、生活していく上で様々なリスクに直面しています。食生活や運動不足から生活習慣病に罹患し、合併症で介護生活を余儀なくされるケースは、他人事ではありません。また、医療の高度化により、がんは治る病気になりつつありますが、罹患率自体が下がっている分けではありません。私たちFIREを目指す人は、早期に退職し、細々と暮らすことが人生の目的ではないと思います。楽しく、自分らしく生きることこそがFIREの目的ではないでしょうか。そのためには、生活上のリスクに対しては生命保険できっちり備えることが重要と考えます。

最後に、貯蓄性商品についてですが、私たちFIREを目指す人は、退職後の資産に備えるべく、株式や不動産等で資産を運用しています。そのため、生命保険で資産を形成していくという考え方は、大きくは当てはまらないと思います。加入する場合には、外貨建て商品など、米国債に代わる投資先として検討することをおすすめします

生命保険に加入する際には、商品種類の他に、自身の世帯構成、家系の疾病リスク、世帯の収入・支出、将来のライフプランや人生のイベントといった、様々な要因を考えた上で加入することが重要です。また、保険会社選びにおいては、生命保険が長期契約であることから、単なる価格だけで選ぶことなく、保険会社の財務・経営状態等も考慮することで、実質的にスマートな消費者になることができるでしょう。

商品を選定時のベストな相談相手

ここでは、日本の生命保険市場で販売されている主な商品種類について、ほんの概要を説明してきました。商品の種類は、生命保険会社によって大きく異なり、例えば、認知症保険やがん保険で支払われる条件の「認知症」や「がん」は生命保険会社によって定義が異なります。皆さんが加入する際には、自身のニーズに合った商品選定が最も重要であり、インターネットや通販など、自身で選ぶ際には詳細を理解して契約することは相当難しいといえます。

FIREを目指す私たちが、リスクに備えつつ、計画通り資産を貯めていくためには、金融のプロであるフィナンシャルプランナーに相談することをおススメします。

何度も相談し、納得したうえで生命保険に加入すること。これが一番重要です。

まとめ

世の中の商品種類を踏まえ、FIREを目指す人が加入すべき商品について説明しました。

ポイント
  • 想定外の出費に備えるべく、死亡保障、医療保障、疾病保障等の保障性商品に加入すべき
  • 定期保険・外貨建て商品がおすすめ
  • 判断に迷うときは、新ラインできるファイナンシャルプランナーに相談しよう

FIREを目指す人にとって生命保険が必要かについて、こちらで詳しく解説しています

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