2018年9月、太陽生命は、業界初となる認知症の予防と治療をサポートする保険「ひまわり認知症予防保険」を発売開始しました。
厚生労働省によると、2025 年には認知症を患う人が 700 万人を超え、65 歳以上のシニア層の 5 人に 1 人が認知症になるといわれており、認知症への対応が社会的に大きな課題となっています。
この社会課題に対し太陽生命は、認知症と診断された後の保障に加え、認知症を予防する生活習慣や運動習慣の見直しを通じたアプローチとして、「ひまわり認知症予防保険」の商品開発に当たりました。
社会課題に訴求する優れた商品です!
「ひまわり認知症予防保険」では、予防や早期発見の観点から、契約後2年毎に受け取れる予防給付金を活用し、MCI(軽度認知障害)のリスク検査や認知症予防に効果があるサービス等に利用できるようにしています。
この記事では、太陽生命の「ひまわり認知症予防保険」の保障内容、保険料、加入時の注意点・デメリット、他社のコロナ保険等につき詳しく解説しますので、是非最後までご覧ください。
認知症への備え
ここでは、認知症患者数や認知症患者になった際に必要なコストについて解説します。近年は、若年層の認知症患者も多く、「高齢者の病気」ではなく、「身近な病気」と捉えることが大切です。
認知症患者数について
若年層の認知症患者数
厚生労働省の調査によると、人口100万人当たりに占める若年認知症患者数は、35歳から増加傾向にあり、45歳~49歳では20,900人になっています。凡そ100人に2人くらいですね。
認知症は高齢者の病気と思われがちですが、35歳以降になると発症する可能性があります。認知症は働き盛りの人にとっても「身近な病気」といえるでしょう。
特に認知症の親族がいる場合には早めにリスクチェックすることをおすすめします。
高齢層の認知症患者数の推移
65歳以上の認知症患者数は、2012年には462万人と7人に1人の割合でしたが、2025年には5人に1人と推計されています。患者割合の高まりの背景には、長寿化と高齢者人口の増加があり、今後も更に増えていくことが見込まれています。
また、年齢別の認知症有病率は、75歳以上から急激に増加します。男性の場合、85歳で38%(3人に1人以上)、95歳以上になると2人に1人以上の方が認知症患者となります。さらに、女性の場合は高く、85歳で41%、95歳以上で83%の方が認知症患者となっています。
長寿化が進む中で、長生きする方が益々増えています。「人生100年時代」と言われる昨今、ご自身のこと、親御さんや親族の将来を考えると、認知症がより身近な病気になっていくことでしょう。
認知症は兆候の早期発見により、発症を遅らせることができます。見守りプラスのアイシル(公式HP)は、認知機能低下の早期発見を機能を搭載したサービスを提供しています。
利用者(高齢者)が食事や薬の服用状況につき専用端末でボタンを押すと、家族のスマホに状況がすぐ連動され、認知機能の変化の状況を簡単に把握することができます。
ご家族に高齢者がいる場合は、認知症の早期発見の観点から見守りプラスの「アイシル」を利用することをおすすめします。
認知症の治療費
実際に認知症に罹患した場合、どの程度の外来治療費が発生するのでしょうか。
太陽生命の調査によると、月々の外来治療費は平均3.96万円(社会負担ベース)です。自己負担が2割の70歳の方の場合で計算すると、3年間で30万円、10年間で100万円の治療費がかかることになります。
さらに、特別養護老人ホームに入居した場合には、月々16万7千円の費用がかかってしまいます。
毎月約17万円の出費はかなり痛いですね!
治療費は、治療期間が長引くほど高額になります。費用を抑える観点からも、発症予防や発症を遅らせることが大切です。65歳以上のご家族がいる場合は、認知症の早期発見を行うことをおすすめします。
「ひまわり認知症予防保険」の保障内容
「ひまわり認知症予防保険」の保障内容は、①認知症予防、②認知症、③医療(入院・手術)、④骨折、⑤死亡保障、の5つからなります。それぞれ詳しく解説していきます。
①認知症予防
「ひまわり認知症予防保険」では、加入1年後以降、2年毎に「予防給付金」を受け取ることができます。予防給付金は、認知症予防をはじめとした様々な用途で利用することができます。
認知症に罹患した場合だけでなく、予防するための給付金を受け取れる点がこの商品の特徴です!
太陽生命が予防給付金の使途としておすすめするのが、「MCIスクリーニング検査」です。僅かな血液から認知症の前段階であるMCI(軽度認知障害)のリスクを調べることができる検査です。
MCIスクリーニング検査は、全国の医療機関で取り扱っており、採血から2~3週間後に結果が分かります。認知症は20年かけて発症すると言われています。2年に一度程度、MCIスクリーニング検査を受検するのが良いでしょう。
②認知症
「ひまわり認知症予防保険」では、所定の認知症(①②)と診断確定されたとき、認知症保険金を受け取ることができます。この保険金は、治療のために活用するのが良いでしょう。
①生まれて初めて器質性認知症になり、医師により診断確定されたとき
②生まれて初めて器質性認知症になり、所定の状態が180日継続したとき
①②を合わせて、最大で1300万円の認知症保障を準備することができます。特別養護老人ホームに入ることを想定した場合、充実した保障内容で契約することが良いでしょう!
③医療(入院・手術)
「ひまわり認知症予防保険」の医療保障には、「入院時の保障」と「手術・放射線治療時の保障」の2種類があります。
入院時の保障
入院時の保障として、病気による入院や、生活習慣病・熱中症による入院、ケガや所定の感染症による入院時に「入院一時金」を受け取ることができます。
日帰り入院から保障対象となりますので安心ですね!
「高齢者が熱中症で病院搬送された」なんて話も良く耳にしますよね。高齢者が入院しやすい熱中症に加え、新型コロナウイルスを含む所定の感染症による入院も保障対象となっています。
手術・放射線治療時の保障
手術・放射線治療時の保障として、ケガや病気を原因として手術・放射線治療をしたとき、生活習慣病や白内障を原因として手術・放射線治療をしたとき、「手術・放射線治療給付金」を受け取ることができます。
認知症予防・治療以外の入院や手術も保障する優れた商品です!
④骨折
「ひまわり認知症予防保険」では、ケガや病気による骨折時に、骨折治療給付金を受け取ることができます。
高齢者、特に女性高齢者は骨粗しょう症を患っていることも多く、少しの衝撃で骨折することがあります。骨折もカバーしている商品なのでとても安心ですね。
⑤死亡保障
「ひまわり認知症予防保険」では、死亡のとき、死亡保険金を受け取ることができます。終身保障の場合には必ず保険金を受け取りますので、掛け捨て商品ではありません。
契約プランイメージ
上記では、ひまわり認知症予防保険の保障パーツを一つずつ解説してきました。ここでは、契約プラン全体として、どのような保障になるか、事例をベースに説明します。
以下プランは、60歳女性が終身タイプの保険に加入した場合の契約プランです。
- 認知症予防のための予防給付金が、契約翌年から2年毎に受け取ることができます。
- 認知症と診断されたとき、認知症の状態が180日継続したとき、それぞれ認知症診断給付金・認知症治療給付金を受け取ることができます。
- 病気やケガ、感染症による入院につき、入院一時金を受け取ることができます。また、手術や放射線治療時に、手術・放射線治療給付金を受けとることができます。
- 骨折のとき、骨折治療給付金を受け取ることができます。
- 死亡のとき、死亡保険金を受け取ることができます。
一生涯の充実した保障がひとまとまりになっています!
「ひまわり認知症予防保険」の主な取扱い
- 保険期間・保険料払込期間:10年、終身
- 加入年齢:有期20~75歳、終身20~85歳
- 認知症診断保険金額:10万~100万円(10万円単位)
- 生存給付金額:1万円以上(1万円単位)
- 満期保険金額:生存給付金額の6倍
- 死亡保険金額:保険期間10年の場合は生存給付金額の15倍。保険期間終身の場合は年齢により異なる
2年毎に受け取りたい生存給付金額や認知症診断時に受け取りたい保険金額は条件の範囲内で自由に選ぶことができます。
付加可能な特約
「ひまわり認知症予防保険」には、契約者の希望に合わせて保障を追加することができます。付加可能な保障は、以下の通りです。
7大疾病などの保障を充実させたい場合に特約を付加すると良いでしょう。
「ひまわり認知症予防保険」の特徴
ここでは、ひまわり認知症予防保険の3つの特徴について解説していきます。
特徴① 持病があっても入れる保険
「ひまわり認知症予防保険」の正式名称は、「選択緩和型認知症診断保険」といいます。緩和型とは、保険の引受基準を緩和しているタイプの保険商品を指し、健康に自信がない方でも加入しやすいよう配慮されています。
加入の申し込み時には、以下のチェック項目全てにつき「いいえ」にレ点がつく場合、申込みが可能となります。
持病があっても加入できる「ひまわり認知症予防保険」ですが、選択型は通常の保険料に比べて保険料が高くなる特性があります。これは、保険金を支払う可能性の高い人が多く加入することが見込まれるためです。
価格も踏まえて加入有無を考える必要がありますね!
こちら(太陽生命公式HP)では保険料シミュレーションをすることができます。
特徴② 充実した4つの認知症予防サービス
太陽生命では、認知症予防をサポートする4つのサービスを展開しています。
①MCIスクリーニング検査(有料)
認知症の中でも最も多いアルツハイマー病は、発症の20年前から脳の異変が始まるといわれています。そのため、脳の異変が始まった年齢では、まだもの忘れもほとんどないか、あっても年のせいといわれる程度のものです。
やがてもの忘れが激しくなると、認知症の前段階である「MCI(軽度認知障害)」の状態になります。「MCIスクリーニング検査」は、わずかな採血でMCIのリスクを調べることができる検査です。
MCIスクリーニング検査は、全国の医療機関で受診可能で、採血で検査をすることができます。結果は2~3週間で判明します。
認知症の兆候を早期に発見するサービスには見守りプラスの「アイシル」もありますよ!
②太陽生命の健康増進アプリ(無料)
太陽生命が提供するスマホアプリには、歩行・睡眠・脳トレなど、様々な健康関連コンテンツが用意されています。毎週の歩数や睡眠時間から、予防できる可能性のある病気や健康状態に関するアラートが届いたり、スマホを通じて家族の健康状態を見守ることができます。
また、健康相談サービス「クリンタル」と連携し、看護師や医師に気軽に健康に関するチャット相談をすることもできます。
③クアオルト健康ウオーキング体験ツアー(有料)
認知症の予防には、適度な運動が効果的との研究結果がでています。
クアオルトとは、ドイツ語で「療養地・健康保養地」を意味し、ドイツでは、心筋梗塞のリハビリや高血圧治療等のため、自然の野山を活用した運動療法「気候性地形療法」が行われています。
クアオルト健康ウオーキングは、この気候性地形療法を基本とし、日本の風土や気候等に適合させた健康づくりの手法で、心拍や血圧を測定しながら自然の中をゆったり歩くことで、安全で効果的な運動を行うことができます。
クアオルト健康ウオーキング体験ツアーのポイント
京王観光が提供するクアオルト健康ウオーキング体験ツアーでは、株式会社日本クアオルト研究所の監修のもと、安全で質の高いクアオルト体験ができます。
①専門ガイドがしっかりサポート
クアオルト健康ウオーキング体験ツアーでは専門ガイドが必ず同行し、一人ひとりの体力に応じた無理のない運動をサポートします。
②温泉など魅力豊かな健康保養地
クアオルトに欠かせない要素のひとつが「休息」です。自然の中でゆったりと過ごすことで、健康づくりとしての質を高めることができます。
③美味しくて体にうれしい
地元の食材を使用した美味しいお食事をご提供します。
ツアー参加者の口コミ
- クアオルトで学んだ運動法を普段のウオーキングに役立てています。(50代男性)
- 持病を持っていましたが、専門ガイドの同行があり安心して参加できました。(40代男性)
- ウオーキングに初めて参加しましたが、運動量やコースにとても満足しました。「頑張らない」というスタンスが気持ち的にとても楽でした。(60代女性)
なお、本ツアーは有料となっています。
予防給付金等を活用して参加すると良いでしょう。
④認知症関連施設紹介サービス(無料)
「認知症関連施設紹介サービス」とは、契約者のマイページから、認知症の診断・治療ができる医療機関や地域包括支援センターなど、近隣の認知症関連施設を調べることができるサービスです。
「MCIスクリーニング検査など、認知症の検査を受けたい」、「認知症診断を行っている最寄りの病院を知りたい」、「認知症の家族の介護のことで相談したい」、といった時に使うと便利です。
特徴③ 予防のための給付金
保険といえば、通常、保険事故が発生した場合に保険金や給付金を受け取ることができますが、「ひまわり認知症予防保険」では、認知症を予防するための予防給付金を受け取ることができます。
「予防」に着眼点を置いた素晴らしい発想の商品ですね!
「ひまわり認知症予防保険」の保険料
それでは、気になる保険料を見ていきましょう!
ひまわり認知症予防保険の保険料は、保険金額、予防給付金額、保険期間等により異なってきます。以下の保険料表は、下記条件における保険料例です。
- 認知症診断保険金:100 万円
- 予防給付金:3 万円
- 満期保険金:18 万円(保険期間 10 年の場合のみ)
保険期間10年の場合の保険料
契約年齢 | 男性 | 女性 |
50歳 | 3,796円 | 3,723円 |
60歳 | 4,217円 | 4,209円 |
70歳 | 6,275円 | 6,813円 |
保険期間終身の場合の保険料
契約年齢 | 男性 | 女性 |
50歳 | 5,361円 | 5,570円 |
60歳 | 5,720円 | 6,338円 |
70歳 | 7,588円 | 9,065円 |
現役FPのおすすめの契約プラン設定
保険期間や給付金額に合わせて保険料が変わりますが、どれにするか迷いますよね。
現役FPのおすすめ設定はこれ!
保険期間
保険期間は「終身」をおすすめします。
認知症は、年を重ねるごとに発症しやすくなる病気です。そのため、これからいざ備えないといけない年齢になって保険が途切れてしまうのは非常にもったいないことです。
予防保険給付金額
予防給付金額は2~3万円で十分です。MCIスクリーニング検査等の費用として予防給付金額を充てることはできますが、保険で備えることは必要ではありません。貯蓄から手出しすることも一つの選択肢としてお考えください。
また、MCIスクリーニングで数年に1度検査することも大切ですが、見守りプラスの「アイシル」を活用して日々の生活でリスクを把握することが良いでしょう。
認知症診断保険金額
認知症診断保険金額は、認知症になった時にどのような治療や生活が必要かによって必要金額は異なります。
自宅で家族が介護をする場合、10年間の治療費は約100万円ですので、介護費用も予て200万円程度に設定すると良いでしょう。
一方、特別養護老人ホームに入居する場合、月々16.7万円、年間で200万円の費用が発生します。10年間入居する場合、2,000万円の費用が発生することになります。
ご自身の貯蓄や年金、認知症になった場合のケアの場所、家族の負担等を加味して保険金額を定めると良いでしょう。
保険契約の詳細を決めるのは簡単ではありません。経験豊富な専門家FPと納得のいくまで相談した上で決めると良いでしょう。ほけんのトータルプロフェッショナルなら、保険相談は何度でも無料でおすすめです!(オンライン相談も可)
保険料割引制度
「ひまわり認知症予防保険」では、太陽生命所定の保険料割引制度を適用することができます。
割引きの条件として、割引前の口座月払保険料の合計額が所定の金額以上のとき、保険料を割り引かれ、合計額が多いほど割引額は大きくなります。割引率は以下の表を参照ください。
「ひまわり認知症予防保険」の加入時の注意点・デメリット
充実した保障と認知症予防を兼ね備えた「ひまわり認知症予防保険」ですが、加入前に確認しておきちたい点があります。
注意点① 保険料が高い
「ひまわり認知症予防保険」は、認知症の予防と治療以外にも、入院や手術、骨折等の保障も含まれているため、単品の認知症保険に比べて保険料が高いです。
また、緩和型商品であることから、保険収支を維持するために保険料を高く設定する必要があります。
日本生命の認知症保険など、他の生命保険会社が提供している認知症保険とも比較した上で選択することが肝心です。
なお、太陽生命や日本生命は、主に自社専属の営業職員チャネルで保険販売していますが、これら営業職員は他社商品については取り扱わないため、商品比較をすることができません。
そのため、複数商品を独立した立場で比較推奨可能な総合的専門家FPと相談することをおすすめします。
注意点② 保障内容が複雑
上記で見てきた通り、「ひまわり認知症予防保険」の保障内容は複数あり様々な契約上の設定が必要なうえ、付加可能な特約も複数あります。
とても複雑な構造をしていて難しいですね。
「ひまわり認知症予防保険」は、インターネットでも加入できますが、ご自身で適切な設定や特約を選択することは容易ではありません。
特に、安い保険料ではないため、きっちりご自身に合った契約プランで加入することが必要なため、インターネット経由での加入はおすすめしません。
まとめ
太陽生命の「ひまわり認知症予防保険」について詳しく解説してきました。
認知症の治療に加え、予防にも重点を置いた素敵な商品です。保障内容が充実していることに加え、認知症の予防に効果的なサービスも充実しており、とても魅力的な保険商品です。
一方で、保険料が割高なこと、商品性が複雑なため自身で選ぶのは難しいことなど、加入に際して注意すべき点があります。
現役FPとして、他社の商品と比較した上で、ご自身に最もあったベストの保険を選ぶことをおすすめします。
複雑な保険商品の中から1番自分にあった商品を選ぶことは簡単ではありません。ご自身やご家族の状況を踏まえた納得のいく内容で加入するため、まずはファイナンシャルプランナーと相談することをおすすめします!ほけんのトータルプロフェッショナルなら、何度相談しても無料なのでおすすめです。
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