【FPが解説】生命保険会社の保険料割引制度を徹底比較

生命保険
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金融マン夫
金融マン夫

スーパー等で買い物をする時、割引の値札が付いているとお得な気がしませんか?

あまり知られていませんが、実は生命保険にも割引制度があります

この記事では、大手生命保険会社(第一生命・住友生命・日本生命・明治安田生命)の保険料割引制度について、詳しく解説します

保険料が年間で約2か月分も割り引かれる場合がありますので、FIREを目指して節約したい人はもちろん、FIREを目指していない人にとってもお得な制度ですので、是非加入前に知っておきたい知識ですね。生命保険の見直しを考えている方もきっちり理解し、お得に見直しましょう。

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結論

生命保険会社の保険料割引制度には、①保険金額に応じて保険料を割引く制度、②健康状態等により保険料を割り引く制度、の2種類があります

大手生命保険の中では、第一生命明治安田生命日本生命が、①保険金額に応じて保険料を割引く制度を設けており、保険金額総額(1,000万円、3,000万円、5,000万円等の区分)によって割引額が変動する仕組みです。住友生命には、以前は同様の仕組みがありましたが、2018年に収束しています。

また、第一生命、住友生命、明治安田生命が、②健康状態等に応じて保険料を割引く制度を設けています。健康であれば保険料が安くなる、という発想は健康志向の人にとっては嬉しいですね。

一般的に、保険金総額と保険料は正比例の関係がありますが、保険料の割引制度を上手に使うことにより、安価な保険料で高い保障に加入することができます。お得に、賢く生命保険に入るため、是非最後までご覧ください

保険金額に応じて保険料を割り引く制度

保険金額に応じて保険料を割り引く制度は、会社によって呼び方が異なり、明治安田生命と日本生命では「高額割引制度」、第一生命では「充実割」とされています。制度面も会社により少しずつ異なります。

明治安田生命では、同社が定める総合保険金額を4,000万円以上、3,000万円以上、3,000万円未満の3つに分類し、3,000万円以上の場合は割引対象に、4,000万円以上の場合は更なる割引対象となります。日本生命も同様に、同社が定める割引適用基準額を5,000万円以上、3,000万円以上、3,000万円未満の3つに分類し、3,000万円以上の場合は割引対象に、5,000万円以上の場合は更なる割引対象となります。両社の「総合保険金額」や「割引適用基準額」は、契約全体の保険金額の単純な合計ではなく、保険種類によって算出基準が詳細に決められています。加入前に、担当の営業職員に確認することをおすすめします。

また、第一生命の充実割の場合、同社が定める割引判定ポイントに応じて保険料の割引額が変動します。割引ポイントを、5,000ポイント以上、4,000ポイント以上、3,000ポイント以上、3,000ポイント未満に分類し、それぞれ、3%、2%、1%、0%の割引が適用されます(3,000ポイント未満の場合は割引対象外)。割引判定ポイントの算出方法詳細については、担当の営業職員に確認してみて下さい。

保険金額に応じて保険料が割引かれる制度を利用した場合の割引額は、割引対象額を3段階に分類した場合、最も割引かれるもので保険料の約2か月分、次に割引かれるもので保険料の約1か月分が目安となります。もちろん、加入プラン・年齢・健康状態等によって変動がある点、ご留意ください。

健康状態に応じた割引制度

住友生命の健康割引制度「Vitality」は、日本の生命保険業界の先駆けとなる健康状態に応じて保険料を割り引く制度として注目を浴びたことを覚えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。一口に健康割といっても、各社各様の制度のため、私たちは自分の今の健康状態や将来の健康状態の予測を踏まえ、保険会社を選ぶ必要があります。

住友生命の「Vitality」と明治安田生命の「健康キャッシュバック」は、契約時だけでなく、毎年の健康状態に応じて実質的に保険料が安くなる制度です。

一方、第一生命の「健診割」では、契約時の健康状態にて割引額が決まり、契約以後の健康状態の良し悪しは保険料に影響を与えません

また、日本生命には健康状態に応じて保険料を割り引く制度はありませんが、上述の「①保険金額に応じて割り引く制度」にて、被保険者の健康状態に関わらず相当の割引きをしています。

金融マン夫
金融マン夫

健康状態に自信が無い方は、日本生命の保険料割引制度でお得に加入することも良い選択肢の一つだと思います。

住友生命の健康状態に応じた割引制度「Vitality」

住友生命の「Vitality」は、加入後の運動習慣や健康診断提出等により健康に関するVitalityポイントを集め、獲得ポイントに応じて保険料の割引等の特典が付与される制度です。Vitalityを利用する場合は、特約を付加することが必要となり、保険料とは別途月額880円の費用が発生します(月額440円の家族プランも有り)。

Vitalityポイントを貯める方法には、①健康診断の受診、②健診結果の提出、③オンラインチェック、④運動などがあります

①健康診断の受診では、20歳以上の女性を対象に子宮頸がん検診をした場合、40歳以上を対象に大腸がん検診、肺がん検診、胃がん健診、乳がん検診(女性のみ)を受診した場合に、各1,000ポイントが付与されます。

②健診結果の提出については、健康診断の結果を提出するだけで500ポイント獲得でき、更に、BMI・血圧・血糖・コレステロール・尿蛋白の結果が同社所定の基準を満たした場合、更に各1,500ポイントが付与されます(65歳以上の場合は各2,000ポイント)。

③オンラインチェックでは、食生活や喫煙状況、精神状態などをウェブ上でチェックすると、年間で最大3,000ポイントが付与されます。

④運動では、同社所定のフィットネスジムに入会し、ジムで運動することで1日最大60ポイント付与されたり、ウォーキング・ランニング・水泳・ゴルフのイベントに参加することで最大2,000ポイントが付与されます。

貯めたVitalityポイントは、年間の累計に応じて、24,000ポイント以上の「ゴールド」、20,000ポイント以上の「シルバー」、12,000ポイント以上の「ブロンズ」、それ以下の「ブルー」の4段階にステータスが判定されます。

このステータスに応じて、保険料が変動し、ステータスが「ゴールド」の場合には、最大で30%の保険料割引が適用されます。生命保険会社にとっては、健康体である方が保険金・給付金の支払いリスクが低減することから、理に適った保険料割引といえるでしょう。ただし、ステータスが「ブルー」の場合、保険料が最大10%の割増となってしまいますので、注意が必要です。例えば、ジム通いによりポイントを貯めようと思い加入したが、病気や感染症等の影響でジムに通うことができなくなりポイントを貯めることができず、結局保険料が割増しになってしまう、ということも起こりえます。

金融マン夫
金融マン夫

加入時に、自身にあったサービスか、きっちり見極めることが必要です。

明治安田生命の健康状態に応じた割引制度「健康キャッシュバック」

明治安田生命の「健康キャッシュバック」は、同社の商品(ベストスタイル等)に「健康キャッシュバック特約(正式名称は健康サポート・キャッシュバック特約)」を付け、健康診断結果を提出するとキャッシュバックを受けられ、実質的に保険料が安くなります

同特約でキャッシュバックを受けるためには、まず健康診断を受診し、その結果を毎年明治安田生命に提出することが必要となります。また、健康診断結果には、40歳未満の場合はBMI・血圧・尿糖・尿蛋白が、40歳以上の場合にはBMI・血圧・尿蛋白・脂質・肝機能・糖代謝がそれぞれ必須項目とされていますので、受診時に確認が必要です。

キャッシュバック金額の算定は、同社に提出したそれぞれの項目について、数値を基にポイント付与数が定められています。それらの合計ポイントに応じて3段階に分類され、キャッシュバック金額が判定されます。最も高い分類の場合、月額保険料合計の一か月分がキャッシュバック金額となり、年間で実質11か月分の保険料で生命保険に加入できることになります。一方で、最も低位な分類の場合では、月額保険料の10%しかキャッシュバックになりませんが、少しでもお得にするため、健康キャッシュバック特約を付加した場合には毎年忘れずに健康診断結果を提出することが望ましいでしょう。

BMI・血圧等の基礎項目、尿・血液の検査項目について、健康診断結果が将来にわたり正常数値を保てると考える方にとっては、この特約はオススメです。一方で、例えば遺伝や体質的に何かの項目が高く出るといった方にはキャッシュバック金額が大きくないため、おすすめできません。

第一生命の健康状態に応じた割引制度「健診割」

第一生命の「健診割」は、契約時に健康診断結果を提出すると、内容に応じて保険料が割り引かれる制度です

この点、生命保険加入後の健康状態等に応じて保険料を割り引く住友生命・明治安田生命の割引制度と違い、第一生命の場合は、契約時の一時点のみを見て判断しているところが大きく異なる点といえます。

(近年、生命保険業界では、低金利環境下においてコスト削減が求められる中、明治安田生命のように毎年契約者からの健診結果を確認するよりも、一時点での健康状態を精緻に分析する第一生命の方が長い目でみると事務コストが抑制されることから、戦略としては第一生命が一枚上手かもしれません)

第一生命の「健診割」の仕組みとしては、提出した健康診断結果の内容に応じて、優良割引の適用有無が判定されます。優良割引の適用条件は、①BMIが18.0以上27.0以下、②最低血圧85mHg未満かつ最高血圧130mHg未満、40歳以上の場合は③HbA1cが5.5%以下、の全ての条件を満たした場合となります。もしこれら全て満たす基準でなかったとしても、健康診断結果を提出した場合には、(優良割引は適用されないものの)健康診断基本割引が適用されるため、健診結果を提出しない場合よりも保険料が割り引かれます。

もし第一生命で生命保険の加入を検討している場合には、健診結果数値が上記を充たしていない場合でも、健康診断結果を提出することでお得に生命保険に加入することができます。

まとめ

この記事では、お得に生命保険に加入するために知っておくべき知識として、生命保険会社における保険料割引制度について解説してきました。FIREを目指す私たちにとってはもちろん、早期リタイアを目指していない人にとっても保険料割引制度は嬉しいですね。

保険料割引制度には、①保険金額に応じて保険料を割引く制度、②健康状態等により保険料を割り引く制度、の2種類があり、各社によって割引額や割引条件が異なります。

お得に生命保険に加入するためには、自身の考えや健康状態等に合った会社選びが大切です。この記事で解説した生命保険会社以外にも、各社各様の保険料割引制度があります。自分にピッタリな保険会社を選ぶために経験豊富な専門家FPと納得いくまで相談してみることをおすすめします

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