アフラック生命が平成29年7月に発売を開始した「かしこく備える終身保険」は、保険料を安く抑える仕組みを導入した他、複数の割引制度を併用することで保険料を安く抑えてた商品です。生命保険に多くのお金を使いたくない人にとっては、まさに「かしこく備える」保険といえますね。
通常、生命保険会社は、契約者が支払った保険料を責任準備金として積立ており、保険金の支払いに備えています。解約した場合には、責任準備金の中から「解約返戻金」を契約者に払い戻すものですが、アフラックの「かしこく備える終身保険」では、解約返戻金を低く設定することによって保険料を安く抑えています。
アフラックの「かしこく備える終身保険」は、安い保険料がとても魅力的です。
しかし、物事はうまい話だけではありません。きっちりデメリットを理解した上で加入を検討することが大切ですね。
この記事では、保障内容、保険料、加入時の注意点・メリデメにつき詳しく解説しますので、是非最後までご覧ください。
発売の趣旨
アフラックは、がん保険や医療保険をはじめとした生前給付商品の継続的な開発やリニューアルに強みを持つ保険会社です。がん保険については、2020年度末時点の保有契約件数は業界No.1となっています。
そんなアフラックは、「お客様の『生きる』を創る」をモットーに商品開発をしており、多様化するニーズに合わせて商品ラインナップを拡大し、平成29年に「かしこく備える終身保険」を販売しました。
保障内容
「かしこく備える終身保険」では、以下の場合に保険金が支払われます。保障は一生涯で、別途特約を付加することができます。なお、契約内容や保険料払込経過期間によっては、保険金額が支払われない場合があります。
- 被保険者が死亡した場合、「死亡保険金」が支払われます。
- 被保険者が所定の高度障がい状態になった場合、「高度障がい保険金」が支払われます。
「かしこく備える終身保険」の3つの特徴
特徴① 保険料が安くなる2つの仕組みがある
「かしこく備える終身保険」では、保険料を抑える仕組みとして2つの制度があります。
解約返戻金を低く設定している
「かしこく備える終身保険」は、通常の終身保険に比べ、解約返戻金を70%に設定されています。つまり、解約した場合に戻ってくるお金が少なくなるということです。この点、アフラックは、契約が解約された分、通常なら払い戻さないといけないお金を支払わずに済むので、アフラックにとってはラッキーということになります。生命保険会社が得をして、契約者が損する仕組みです。
解約した場合、解約返戻金が思っているより少ないことがあります!
契約する際は、デメリットを理解したうえで判断しましょう。
生命保険はとても複雑な商品です。失敗しないためにも、経験豊富な専門家FPと納得いくまで相談することを強くおすすめします。
健康体割引を使える
「かしこく備える終身保険」には、非喫煙者の場合保険料割引を適用できる「ノンスモーカー割引特約」を付加することができます。ノンスモーカー割引については、詳しく後述しています。
特徴② 必要な保障を選べる
「かしこく備える終身保険」は、死亡時・高度障がい時に支払われる保険金額を自身で選ぶことができます。しかも、10万円単位の設定ができるため、保険料の調整がしやすいです。なお、保険金の最低設定金額は100万円となっています。
保険金額についてはオーダーメイド型に近いことから、自身の葬儀関連費用として加入されるケースもあります。平均的な葬儀関連費用は、合計で約200万円かかっており、葬儀費用に120万円、寺院への支払いに50万円、飲食代として30万円程度の費用が必要となっています。
「かしこく備える終身保険」の保障内容は、死亡・高度障がいのみですが、特約を付加することで保障範囲を充実させることができます。具体的には、「三大疾病保険料払込免除特約」を付加することで、がん・急性心筋梗塞・脳卒中になった後の保険料支払いが免除されます。日本人が罹患しやすい三大疾病時にも保険を継続できるよう、特に就業中の方には、三大疾病保険料払込免除特約を付加することをおすすめします。
さらに、「災害死亡割引特約」を付加することで、不慮の事故や所定の感染症による死亡・高度障がい時の保険金額を増やすことができます。若い年齢の場合、病気での死亡リスクは低い一方で、交通事故や感染症により死亡する可能性があります。災害死亡割引特約は、60歳以下の方におすすめの特約です。
特徴③ 健康に不安があっても、高齢でも入れる
特別保険料率に関する特則を付加できる
「特別保険料率に関する特則」は、健康に不安があって通常の保険料では加入できない場合、割増保険料を支払うことで契約できる制度です。
通常の契約が引き受けられなかった場合、この制度を利用してみると良いでしょう。ただし、特別保険料率に関する特則を付加した場合、保障内容や付加できる特約が異なるので、事前によく確認することが必要です。
告知のみで申込みできる
「かしこく備える終身保険」では、満71歳以上の高齢でも、保険金額が300万円以下であれば告知書扱いで申込みができます。診査書の提出が不要なので、申込が受理されやすい仕組みになっています。
持病や年齢を理由に保険を諦めていませんか?
様々な制度を利用すれば保険に加入することもできますよ!
取扱内容
- 保障期間:終身のみ
- 契約年齢:0歳~満85歳(ノンスモーカー割引特約付加時:20歳~)
- 最低保険金額:100万円
- 最高保険金額:5億円(特別保険料に関する特則を付加時:1,000万円)
- 販売単位:10万円
付加できる特約
「かしこく備える終身保険」 に付加できる特約は、①三大疾病保険料払込免除特約、②ノンスモーカー割引特約、③災害死亡割増特約の3つがあります。
特約① 三大疾病保険料払込免除特約
三大疾病保険料払込免除特約を付加することで、がん・急性心筋梗塞・脳卒中により所定の状態に該当した場合、以後の保険料の払い込みが免除されます。
特約② ノンスモーカー割引特約
過去一年間に喫煙したことがない等、禁煙に関する所定の基準を満たしている場合にノンスモーカー割引特約を付加することができます。
非喫煙者にはとても嬉しい制度ですね。
付加すると、標準の保険料よりもお安くなる割引が適用されて、割引率は9%~20%程度となりとてもお得です。年齢ごとの具体的な割引後保険料の水準感は、以下をご覧ください。
特約③ 災害死亡割増特約
災害死亡割増特約を付加することにより、不慮の事故等による死亡や高度障がい時への備えを増やすことができます。交通事故等により寿命よりも早く死亡した際、残された家族が資金面で困らないようにするための特約ですので、必要に応じて使い分けが必要となります。
申し込み時には、自分にあった特約を付加することがとても大切です。信頼のおけるファイナンシャルプランナーと納得いくまで保険相談しましょう。
「かしこく備える終身保険」の保険料
保険金額200万円・三大疾病保険料払込免除特約なしの場合の保険料は以下の通りです。通常の保険料(標準体保険料)とノンスモーカー割引特約を付加した場合の非喫煙保険料となります。
男性の保険料
標準体保険料 | 非喫煙保険料 (ノンスモーカー割引特約付加) | |
30歳 | 3,326円 | 3,016円 |
40歳 | 4,238円 | 3,768円 |
50歳 | 5,706円 | 4,944円 |
60歳 | 8,274円 | 7,002円 |
70歳 | 13,552円 | 11,202円 |
女性の保険料
標準体保険料 | 非喫煙保険料 (ノンスモーカー割引特約付加) | |
30歳 | 2,968円 | 2,742円 |
40歳 | 3,698円 | 3,362円 |
50歳 | 4,830円 | 4,294円 |
60歳 | 6,772円 | 5,828円 |
70歳 | 10,828円 | 8,754円 |
加入時の注意点とデメリット
「かしこく備える終身保険」 加入時にはいくつか注意すべき点があります。簡潔に解説していますので、よく読んでみてください。
解約返戻金が少ない
「かしこく備える終身保険」は、低解約返戻金の保険となっているため、解約した場合、解約返戻金が通常の終身保険の場合に比べて70%と、戻ってくるお金が少なくなります。毎月の保険料は安くても、長年支払う保険料の合計は相当大きな金額になります。
解約の可能性が少しでもある場合には、戻ってくる解約返戻金が少なくなリスクを踏まえた上で加入するか考えることをおすすめします。
乗換え制度がない
「かしこく備える終身保険」には、他の商品に乗換える制度が用意されていないため、保障が不要になったときには解約するしかありません。しかも、払い込んだ保険料合計より少ない金額の解約返戻金となります。
アフラックの他の商品や、他の生命保険会社の商品には、乗換え制度があるものも多いため、比較したうえで検討することをおすすめします。
乗合代理店商品に比べて保険料が割高
「ほけんの窓口」などの乗合代理店では、複数の保険会社の同様の商品を比較して販売するため、保険会社は価格競争をせざるを得ませんが、アフラックの商品は、アフラック専業の保険販売店でのみ販売されており、アフラックの商品のみを提案するため価格競争にさらされていません。
そのため、乗合代理店に置かれている同様の商品に比べ、保険料は高めに設定されています。
契約件数が多くなりがち
アフラックの商品は、単品商品に複数契約することで、自分に必要な保障に備えることになります。そのため、例えば介護保険や就業不能保険、医療保険、がん保険など、必要な保障に備えるために、3つや4つの契約をする必要があり、契約の管理が面倒になります。
第一生命の「ジャスト」や明治安田生命の「ベストスタイル」、大樹生命の「大樹セレクト」といった大手生命保険の組合せ型商品は、多様なラインナップの保障を必要な分だけ組み合わせ、一つの契約として管理できる点便利でおすすめです。
まとめ
アフラック生命の「かしこく備える終身保険」について詳しく解説してきました。低解約返戻金の仕組みにより安価な保険料を実現した商品なので、保険料を安く抑えたい方におすすめの商品です。
しかし、解約した場合の解約返戻金が少ないことや、契約の管理が面倒といったデメリットもあるため、まずは他の保険商品に加入できるものがないか検討することをおすすめします。
生命保険商品は、保険会社や商品によって様々です。納得のいく内容で加入するため、ファイナンシャルプランナーと何度も保険相談することを強くおすすめします!
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