2018年10月、SOMPOひまわり生命は、生保業界で初めて軽度認知障害（MCI）も保障対象とする「リンククロス 笑顔をまもる認知症保険」を発売開始しました。
MCI（軽度認知障害）と認知症高齢者の国内における総数は、2012 年に約 862 万人と推計されており、2025 年には約 1,300 万人に達すると予測されています。
要介護者の増加による介護職員の不足等のさまざまな認知症に関する社会的課題が増加していく中、SOMPOひまわり生命は、「認知症にならない・なってもその人らしく生きられる社会」をコンセプトに、「リンククロス 笑顔をまもる認知症保険」を開発しました。
社会的意義の高い商品です！
「リンククロス 笑顔をまもる認知症保険」は、高齢層への保障を重視した商品で、要介護状態の原因になる認知症・骨折治療を基本保障とし、オプションとして介護保障を付けられる設計となっています。
また、認知症の発症および進行を遅らせるとともに、介護までを一貫して サポートする様々な充実したサービスが付いています。
この記事では、SOMPOひまわり生命の「リンククロス 笑顔をまもる認知症保険」の魅力、保障内容、保険料、加入時の注意点・デメリット等につき詳しく解説しますので、是非最後までご覧ください。
認知症は身近な病気
ここでは、「リンククロス 笑顔をまもる認知症保険」が保障対象とする、軽度認知障害（MCI）や認知症について簡単におさらいしたいと思います。
老化による物忘れと認知症の違い
歳を重ねるに連れて、人の名前が思い出せなくなるといった老化によるもの忘れは起こります。しかし、認知症は、老化によるもの忘れとは違います。
老化によるもの忘れは、物事の一部を忘れていますが、ヒントがあれば思い出せます。
一方、認知症は、物事の全体がすっぽり抜け、ヒントがあっても思い出すことができません。
認知症になると、一度は正常に発達した脳の知的機能があるときから少しずつ悪くなっていき、日常生活に支障が出てきます。認知症の人の脳では、病気などの原因によって神経細胞の破壊が進んでいると考えられています。
物忘れは自然な変化ですが、認知症は病的な変化になります。
認知症の症状
認知症の症状は、記憶障害など認知症の人に必ずみられる「中核症状」と、そこに環境要因や個人の性格などが加わって起こる「周辺症状」があります。
「中核症状」は、特徴的な症状は記憶障害で、直前に起きたことなどを忘れてしまうことです。一方、古い記憶はよく残りますが、症状が進むとそれも失われてしまうことが多い傾向にあります。
「周辺症状」は、妄想・無気力・うつ・不安などの感情障害と、興奮・暴力などの行動異常があります。
認知症患者数は年々増加していく
厚生労働省の調査によると、65歳以上の高齢者で認知症になる人は、2030年には830万人、2060年には1,154万人に年々増加すると推計されています。
認知症患者数は益々増え、より身近な病気になっていきます。
認知症は介護に直結
厚生労働省の調査によると、要介護認定の原因の１位は「認知症」となっています。このことから、認知症になると、介護が発生することが良く分かります。
介護に掛かる費用には、介護設備等の一時費用、治療費や介護費など毎年かかる費用があります。認知症による介護費用は合計570万円程度がかかるとされています。
かなりの高額になりますので、保険で備えておきましょう！
認知症は早期発見・予防がポイント！
健常者と認知症の中間には、軽度認知障害（MCI）という「認知症予備軍」といえる状態があります。
軽度認知障害（MCI）は、認知機能に軽度の障害がある状態を指し、病気ではありません。症状としては、「忘れっぽいけれど、日常生活での判断は比較的しっかりしている状態」といえます。
軽度認知障害（MCI）を放置することで認知機能がどんどん低下してしまい認知症へと進行します。軽度認知障害（MCI）から認知症へと進んでしまう人の割合は年平均で10％、5年目には約40％の人が認知症を発症するといわれています。
しかし、長年の研究の結果、軽度認知障害（MCI）の段階での適切なケアにより、予防対策を行うことで健常者に回復したり、認知症の発症を遅らせる可能性があることが分かってきました。
早期発見することがとても大切です！
認知症の兆候を捉えるサービスでおすすめなのが、認知症検知サービスのアイシル（公式HP）です。
アイシルでは、利用者（高齢者）が食事や薬の服用状況につき専用端末でボタンを押すと、家族のスマホに状況がすぐ連動されます。家族は、認知機能の変化の状況を簡単に把握することができ、認知症の兆候を早期に検知することができます。
本当におすすめのサービスですので、是非ご検討してみてください！
アイシルで認知症の兆候が判明した場合、認知症への進行を遅らせるための適切なケアが重要となります。
適切なケアの例として、「運動の習慣をつけること」、「食事を改善すること」、「生活習慣病を改善すること」、「知的刺激を高めること」、「社会脳を鍛えること」などがあります。
「リンククロス 笑顔をまもる認知症保険」の保障内容
「リンククロス 笑顔をまもる認知症保険」の保障内容は、主契約と特約に分かれます。
主契約は、軽度認知症障害・認知症、骨折治療、災害死亡を保障します。特約には、介護一時金、介護年金、保険料免除があります。
主契約の保障内容
①軽度認知症障害・認知症
初めて軽度認知障害と医師により診断確定されたとき、軽度認知障害一時金を受け取ることができます。
また、軽度認知障害一時金の受取り後初めて認知症と医師により診断確定されたとき、または、初めて認知症と医師により診断確定されたとき、認知症一時金を受け取ることができます。
これらの保険金額の合計は、100万円となります。
なお、保障の対象となる軽度認知障害・認知症は以下の通りです。
アルツハイマー型やレビー小体型など、一般的な認知症は含まれていますのでご安心ください。
軽度認知障害・認知症保障の注意点として、180日間の不担保期間があります。保障の開始は、主契約の責任開始日からその日を含めて181日目となります。
最初の180日間は保険金を受け取ることができませんのでご注意ください。
②骨折治療
骨折をしたと医師により診断され、その骨折に対して初めて治療を受けたとき、骨折治療給付金を受け取ることができます。ひびや疲労骨折も支給対象となります。
また、支給限度は10回まで、かつ、180日に１回までとなっています。
骨折治療給付金は、5万円、または、10万円から選択することができます。
特に女性の高齢者はちょっとした刺激で骨折しやすいものです。
③災害死亡
不慮の事故または所定の感染症により死亡したとき、災害死亡保険金を受け取ることができます。
災害死亡保険金額は50万円です。
特約の保障内容
「リンククロス 笑顔をまもる認知症保険」に付加可能な特約は３つあります。いずれもオプションですので、選択は自由です。
①介護一時金
①公的介護保険制度により要介護1以上と認定されたとき、②満65歳未満の被保険者について所定の要介護状態が180日以上継続したと医師により診断確定されたとき、③所定の高度障害状態に該当したとき、介護一時金を受け取ることができます。
介護が始まるとき、自宅への設備設置や車いす、介護用ベッドなど、一時的なコストが発生します。
介護一時金を付加することで、一時的なコストに充てることができます。
②介護年金
①公的介護保険制度により要介護3以上と認定されたとき、②満65歳未満の被保険者について所定の要介護状態が180日以上継続したと医師により診断確定されたとき、③所定の高度障害状態に該当したとき、一生涯に亘り介護年金を受け取ることができます。
介護や認知症治療にかかる費用は、毎年発生しますので、年金として終身で受け取れる特約はとても重宝します。
③保険料払込免除
三大疾病（がん・急性心筋梗塞・脳卒中）により所定の事由に該当した場合、以後の保険料の払込みは免除されます。
三大疾病に罹患した場合、働くこともできず収入が途絶えてしまうケースが多いです。
保険料払込免除特約を付加することで、保険料を支払うことなく保障を継続させることができます。
「リンククロス 笑顔をまもる認知症保険」の主な取扱い
- 契約年齢：20歳～80歳
- 保険期間：終身
- 骨折治療給付金：5万円・10万円
- 保険料払込期間：終身・5年払・10年払
高齢になってから保険料を支払うのは大変なので、5年払か10年払をおすすめします。
なお、保険料についてはこちら（公式HP）にてシミュレーションすることができます。性別と年齢を入力してみてください。
「リンククロス 笑顔をまもる認知症保険」の告知項目
「リンククロス 笑顔をまもる認知症保険」は、満20歳から満80歳で、以下４つの質問がすべて「いいえ」なら、申込みすることができます。
持病がある方も是非確認してみてください。
- 今までに、認知症（軽度認知障害を含む）と医師から診断を受けたことがありますか。または認知症（軽度認知障害を含む）の疑いがあると医師から指摘されたことがありますか。
- 下記１・２のいずれかに該当していますか。
- 現在、以下①～⑤の日常生活の動作のいずれかにおいて、他の方の介助または補助具を必要としますか。①歩行 ②衣服の着替え ③入浴 ④食事 ⑤排せつ
- 40歳以上の方におうかがいします。今までに、公的介護保険制度の要介護または要支援の認定を受けたことがありますか。または、現在、認定申請を行っていますか。
- 過去2年以内に、【別表】の病気（疑いがあると医師に指摘されている場合を含む）で医師の診察・検査・治療・投薬（薬の処方を含む）または入院・手術を受けたことがありますか。
【別表】急性心筋梗塞、再発性心筋梗塞、くも膜下出血、脳内出血、脳梗塞、パーキンソン病、うつ病、双極性障害、心因反応、心身症、神経症、統合失調症、パニック障害、骨粗しょう症、狭心症、心房細動、弁膜症
- 過去2年以内に、病気やケガで、入院したことまたは手術を受けたことがありますか。
健康に不安がある人でも全て「いいえ」なら保険に入れます。
「リンククロス 笑顔をまもる認知症保険」の加入時の注意点・デメリット
①180日の不担保期間がある
主契約の軽度認知障害・認知症保障には、180日間の不担保期間があります。そのため、責任開始から180日間については、認知症と診断された場合であっても保険金を受け取ることができません。
なお、主契約の骨折治療と災害死亡保障については、責任開始日と同時に保障を開始します。
②主契約だけでは保険金が不十分
認知症による介護の場合、約570万円の費用が発生すると言われています。しかし、「リンククロス 笑顔をまもる認知症保険」の主契約では、保険金が100万円しか受け取ることができません。
また、介護一時金特約を付けることで、認知症により要介護１以上となった場合、合計200万円受け取ることができますが、それでも全ての費用を賄うことは難しいでしょう。特に、自宅以外の施設に入居する場合には、年間200万円程度の費用がかかります。
他の生命保険会社の商品では、より充実した保険金額の商品もあります。例えば、太陽生命の「ひまわり認知症予防保険」では、最高1300万円まで保障することができます。特別養護老人ホーム等に入居する可能性がある場合には、大きめの保障で備える方が良いでしょう。
必要な保険金額は事情によって人それぞれです。
納得のいく契約をするため、経験豊かなファイナンシャルプランナーと納得いくまで相談するのがおすすめです。ほけんのトータルプロフェッショナルなら何度でも相談無料ですので、安心してお問い合わせください（オンライン可）。
③保険料が割高
一般的な認知症保険の保障内容は、認知症診断のみとなっています。しかし、「リンククロス 笑顔をまもる認知症保険」は、軽度認知障害の他、骨折や災害死亡まで保障対象となっているため、その分保険料は割高な内容となっています。
例えば、第一生命の認知症保険では、認知症のみを保障対象としているため、比較的安価な保険料となっています。
上記のような細かい違いがあるため、「リンククロス 笑顔をまもる認知症保険」の加入を決める際には、他の保険会社の認知症保険と比較した上で決めると良いでしょう。
複数社の商品を比較する場合は、保険会社専属の営業職員ではなく、独立したファイナンシャルプランナーとその相談をおすすめします。
まとめ
SOMPOひまわり生命の「リンククロス 笑顔をまもる認知症保険」について詳しく解説してきました。認知症に加え、軽度認知障害（MCI）も保障する魅力的な商品となっています。
一方で、保険金が不十分、保険料が割高といった、加入に際しての注意点があります。また、他社商品と比較して、必ずしも充実した保障内容になっていない点もあります。
現役FPとして、他社の商品と比較した上で、ご自身に最もあったベストの保険を選ぶことをおすすめします。
複雑な保険商品の中から１番自分にあった商品を選ぶことは簡単ではありません。ご自身やご家族の状況を踏まえた納得のいく内容で加入するため、まずはファイナンシャルプランナーと相談することをおすすめします！ほけんのトータルプロフェッショナルなら、何度相談しても無料なのでおすすめです。
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