2021年4月、第一生命グループの第一スマート少額短期保険会社は、新型コロナウイルスを含む感染症などを保障する「コロナminiサポほけん」を発売開始しました。
2019年から世界的に流行した新型コロナウイルス感染症に対して第一スマートは、「日常の中での必要な外出や、医療や物流等の人々の生活を支える仕事に前向きな気持ちで取り組めるように、感染症罹患による不安な気持ちに応える」という想いの下、コロナminiサポほけんを開発しました。
第一スマート（正式名称：第一スマート少額短期保険会社）とは、第一生命グループ傘下の少額短期保険会社で、長期契約である生命保険とは異なり、短期型の商品を開発しています。
近年、保険に関する消費者ニーズが多様化するものの、第一生命本体ではシステム開発費用等の制約から短期型商品を開発することが効率的でないことから、「あなたらしくをスマートに」をミッションとし、柔軟かつ機動的に商品開発ができる第一スマートを設立しました。
コロナminiサポほけんは、第一スマートが初めて開発した商品で、第一生命グループの肝いり商品と言えるでしょう。
この記事では、第一スマート生命の「コロナminiサポほけん」の保障内容、保険料、加入時の注意点・メリデメにつき詳しく解説しますので、是非最後までご覧ください。
コロナminiサポほけんの保障内容
コロナminiサポほけん（正式名称：特定感染症保険）では、保険期間中に特定感染症に罹患したと医師により診断されたとき、特定感染症一時金（最大１０万円）を受け取ることができます。
特定感染症とは、以下の感染症を指します。なお、法令改正等により、保障対象となる感染症は変わる可能性があります。
＜特定感染症＞
- 新型コロナウイルス感染症
- 一類感染症：エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、痘そう、南米出血熱、ペスト、マールフルグ病、ラッサ熱
- 二類感染症：急性灰白髄炎（ポリオ）、結核、ジフテリア、重症急性呼吸器症候群、中東呼吸器症候群、鳥インフルエンザ
- 三類感染症：コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフス
コロナminiサポほけんでは、保険金の支払限度は１回と定められています。また、保険金が支払われると、保険契約が消滅していますので注意が必要です。
契約期間中に２回罹患しても、１回目しか保険金は支払われません。
「コロナminiサポほけん」の３つの特徴
ここでは、「コロナminiサポほけん」の３つの特徴について解説します。
特徴① 保険期間は３か月
コロナminiサポほけんの保険期間は一律３か月間と設定されています。期間終了後、更新することで、保険期間を３か月間延長するこができます。
保険期間は３か月ですので、人との接触が避けられない時期や、感染者数が急増している時期に絞って柔軟に加入することが可能です。
なお、３か月以上の保険期間をお考えの場合は、太陽生命のコロナ保険「感染症プラス入院一時金保険」がおすすめです。保険期間は「１０年」または「歳満期」から選択可能ですので、長期に亘り保障できる点が良いですね。
ご自身のニーズに合わせて保険期間を設定することが大切です。既に生命保険に加入している方は、総合的専門家FPと相談のうえ保険期間を選ぶと良いでしょう。
特徴② 保険料は毎月変わる
コロナminiサポほけんの保険料は、感染状況に応じて毎月１日に変更されます。
感染者数が少ない時期は保険料は安価ですが、多くなるに連れ保険料も上昇します。以下に、実際の保険料の推移を掲載しています。
上記の実例では、感染者数が少ない時期の保険料は890円～980円となっています。しかし、感染者数が多い2021年9月・10月は2,270円、2021年２月は3,840円と、約４倍に保険料が上昇しています。
リスク量に応じて保険料が変わることは保険の基本ですが、私たち消費者のお財布事情にとっては厳しいですね。
特徴③ 保険金は一律１０万円
新型コロナウイルス等の所定の感染症に感染した場合、１０万円を受け取ることができます。支払条件と保険金額が明確なので、とても分かりやすいですね。
また、保険料は一回で３か月分を支払う「一時払」のみ取り扱われています。クレジットカード等での決済が可能です。
「保険金は５万円でも良い」という方は、PayPayほけんのコロナ保険もおすすめですよ！
解約時の取扱い（解約返戻金）
コロナminiほけんを解約した場合の解約返戻金（正式名称：解約返還金）は、以下の金額になります。なお、払い込まれた保険料がない場合は、解約返還金はゼロになります。
- 責任開始期前の解約：既に払い込まれた保険料
- 責任開始期後の解約：既に払い込まれた保険料に、以下の未経過月数に応じた解約返還金を乗じた金額となります。
| 未経過月数 | 2か月以上 | 1か月以上2か月未満 | 1か月未満 |
| 解約返還金率 | 66.7％ | 33.3％ | 0.0％ |
解約返還金はありますが、特別な事情が無い限り解約はおすすめしません。
加入時の注意点・デメリット
分かりやすい商品性の「コロナminiサポほけん」ですが、加入前に確認しておきたい注意点があります。きっちり納得した上での加入をおすすめします。
①１３日間の不担保期間がある
「コロナminiサポほけん」では、申込日からその日を含めて14日を経過した日を責任開始期とされています。そのため、14日以降に特定感染症を発病し、保険期間中に特定感染症に罹患したと医師により診断されたときに一時金を受け取ることができます。
つまり、申込日から１３日間については感染症の保障対象外となります。
「感染しているかも？」と思ってから加入しても、保険金を受け取ることができませんので、事前に加入しておく必要があります。
なお、太陽生命のコロナ保険「感染症プラス入院一時金保険」では、不担保期間が１０日間と、比較的短く設定されています。なるべく早く保障開始したい方は、太陽生命商品をご検討ください。
生命保険商品は、保険会社や商品によって様々で、保障内容はかなり複雑に作りこまれています。ご自身やご家族の状況を踏まえた納得のいく内容で加入するため、まずは専門性の高いファイナンシャルプランナーと無料保険相談することを強くおすすめします！
②保険料は更新時に上がる可能性
コロナminiほけんの保険料は、感染状況に合わせて毎月１日に更新されます。
実際の保険料は、最も低かった時期で890円と安価であったものの、最も高い時期で3,840円と、最安値の4倍以上になります。最新の保険料はこちら（公式サイト）でご確認ください。
「安価だから」と保険料を見ずに更新していると、いつの間にか多額の保険料を支払うことになるかもしれません。
新規申し込み時だけでなく、更新時も保険料を確認することが必要です。
一定期間同一の保険料を支払う方が良い場合、大樹生命のコロナ対応保険「おまもリーフ」がおすすめです。持病があっても加入でき、ケガと感染症に伴う入院を保障する商品です。
複数の保険会社の商品を比較する場合は、総合的専門家FPと相談するのが良いでしょう。１社専属の生保営業マン・生保レディと異なり、独立した立場から皆様のことを考えて保険相談に乗ってくれるはずです。
③保険金は１０万円しかない
コロナminiサポほけんの保険金額は一律１０万円と定められていますが、実際に新型コロナウイルスに感染した場合、どの程度の費用がかかるのでしょうか。
新型コロナウイルスに感染し、入院した場合に備えておきたい費用は、11.3万円と言われています。つまり、保険金は１０万円しかないので、全ての費用を賄えないことになります。
実際に感染した場合、１．３万円は手出しが必要ということになります！
新型コロナウイルス感染症による入院にかかる医療費は公費負担となりますので、入院費用の心配は不要です。しかし、国立感染症研究所調査によると、入院期間は13.0日程度となることから、入院期間中の所得を賄う費用と入院雑費が発生することに注意が必要です。
所得は人によって異なりますが、給与所得者平均給与（436万円）を基に日割計算すると、9.3万円の所得減少が見込まれます。また、入院雑費として1日当1500円を要するとした場合、入院日数13.0日をかけると2.0万円の費用が必要になります。
④支払限度は１回まで
コロナminiサポほけんは、1度保険金が支払われた時点で契約が消滅してしまいます。そのため、たとえ保険期間中の３か月以内に２度感染したとしても、２度目は保険金が支払われません。
新たな変異株が次々と現れる中、１度感染したからといって全ての変異株に対して免疫が付く分けではありません。１度の感染を保障するだけの商品で良いか、加入前に吟味が必要です。
⑤クーリングオフできない
コロナminiサポほけんは、１年以内の保険契約のためクーリングオフの対象外となります。そのため、保険のメリットやデメリットを納得した上で加入することが大切です。
保険に関する相談は、ほけんのトータルプロフェッショナルがおすすめ！
無料で何度も相談できて安心です。
⑥今後の情勢次第は販売停止もありうる
2021年4月に販売開始したコロナminiサポほけんは、同年9月、感染拡大があったことを背景に一時販売停止していました。感染拡大時期には、保険料を相当上昇させない限り保障を全うすることができないことから、販売停止という経営判断に至ったのでしょう。
今後も、感染状況によっては販売停止する可能性もあります。もしご加入を検討される場合は、早めの対応がおすすめです。
⑦保険契約者保護機構に加入していない
少しマニアックな内容ですが、大切なことですのでお付き合いください。
保険会社が破産や清算をした場合に契約者を保護する制度として、保険契約者保護機構というものがあります。一般的に保険会社は、経営破綻した場合への備えとして同機構に加入しています。
しかしながら、第一スマートは一般的な「保険会社」ではなく、「少額短期保険会社」という会社形態であり、同機構に加入していません。
そのため、契約期間中に第一スマートが破綻した場合、契約上の権利が当然に保護されるわけではありません。
とはいえ、財務基盤が強固な第一生命グループ傘下ですので、あまり心配はいらないでしょう。
まとめ
第一スマートの新商品「コロナminiサポほけん」について詳しく解説してきました。3か月間のコロナ感染リスクを保障する画期的な商品といえるでしょう！
しかしながら、契約直後の感染が保障されないこと、クーリングオフの対象にならないことなどの注意点があることに気をつけてください。
大樹生命の「おまもリーフ」や太陽生命の「感染症プラス入院一時金保険」でも感染症を保障していますので、保険料価格を比較してみるのも良いでしょう！
生命保険商品は、保険会社や商品によって様々で、保障内容はかなり複雑に作りこまれています。生命保険は安い買い物ではありません。ご自身やご家族の状況を踏まえた納得のいく内容で加入するため、まずは専門性の高いファイナンシャルプランナーと無料保険相談することを強くおすすめします！
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