2021年8月、楽天生命は、楽天ポイントが最大で2%貯まる認知症保険を発売開始しました。
日本では、社会全体の高齢化が今後も進行していくことが予想されています。そうした中、65歳以上の認知症患者数は2020年で631万人、2030年には830万人に達し、その後も増え続けると推計されています。
今後、認知症患者数が増加することを踏まえ、楽天生命は、認知症患者やその家族の不安を解消し、将来への備えを充実させるべく、認知症保険を開発しました。
楽天生命の「認知症保険」は、認知症診断確定時に加え、認知症診断確定後の介護や入院、さらに、3年毎にボーナス(無事故保険金)で認知症の予防にまで備えられる商品になっています。
楽天経済圏の方にはとてもおすすめの保険です
この記事では、楽天生命の「認知症保険」の魅力、保障内容、保険料、加入時の注意点・デメリット等につき詳しく解説しますので、是非最後までご覧ください。
認知症患者は身近な病気
認知症は加齢と共に進行する病気で、今後高齢化が進む中、より身近な病気になっていきます。厚生労働省の研究によると、2025年には65歳以上の5人に1人が認知症になると推計されています。
認知症は他人事ではありません
認知症と介護費
厚生労働省の国民生活基礎調査によると、要介護認定の原因の第一位は「認知症」となっています。
つまり、「認知症に備える」ということは、「介護に備える」ということと同義といえます。
認知症による介護費用
では、要介護状態になった場合に必要な資金はどの程度でしょうか。
生命保険文化センターの全国調査によると、家族の介護に必要な初期費用は平均242万円で、500万円以上の初期費用となった人は全体の14%(7人に1人)と、高額の介護費用が必要なケースがあることが分かります。初期費用とは、住宅改造や介護用品購入などの初期費用や、月々の介護等にかかる費用を指します。
500万円以上の高額になるケースとは、自宅介護ではなく、特別養護老人ホームや民間介護施設等に入居した場合です。介護付き有料老人ホームに入居した人の約半数が、入居にかかる一時金が1000万円を超えています。
介護による収入の減少
介護には多額のお金が必要うえ、労働時間の短縮や転職等の労働調整により収入が減少してしまうケースが大半です。実際、減少した収入は、年平均で141万円との調査結果があります。
このことから、認知症による介護に備えるということは、介護費や治療費の出費に備えることに加え、収入の減少にも備えることが必要になります。
「支出の増加」と「収入の減少」のダブルパンチです!
認知症は早期発見・予防がポイント!
認知症による介護費用を抑えるためには、認知症発症を遅らせることがとても大切になります。
健常者と認知症の中間には、軽度認知障害(MCI)という「認知症予備軍」といえる状態があります。
軽度認知障害(MCI)は、認知機能に軽度の障害がある状態を指し、病気ではありません。症状としては、「忘れっぽいけれど、日常生活での判断は比較的しっかりしている状態」といえます。
軽度認知障害(MCI)を放置することで認知機能がどんどん低下してしまい認知症へと進行します。軽度認知障害(MCI)から認知症へと進んでしまう人の割合は年平均で10%、5年目には約40%の人が認知症を発症するといわれています。
しかし、長年の研究の結果、この軽度認知障害(MCI)の段階での適切なケアにより、予防対策を行うことで健常者に回復したり、認知症の発症を遅らせる可能性があることが分かってきました。
早期発見することがとても大切です!
認知症の兆候を捉えるサービスでおすすめなのが、認知症検知サービスのアイシル(公式HP)です。
アイシルでは、利用者(高齢者)が食事や薬の服用状況につき専用端末でボタンを押すと、家族のスマホに状況がすぐ連動されます。家族は、認知機能の変化の状況を簡単に把握することができ、認知症の兆候を早期に検知することができます。
楽天生命の認知症保険の保障内容
楽天生命の認知症保険の保障内容は、主契約と3つの特約(無事故給付特約、介護給付特約、精神疾患併発入院特約)によって定められています。特約の組合せにより、「お手頃プラン」、「基本プラン」、「安心プラン」の3つのプランが用意されています。
保障内容を一つずつ詳しく解説していきます
主契約の保障内容
主契約では、はじめて認知症と診断確定されたとき、認知症診断給付金を受け取ることができます。認知症診断給付金の金額は、100万円~3000万円の範囲で選ぶことができます。
介護施設等の有料施設に入る可能性がある場合は、1000万円以上の保障をおすすめします
なお、認知症の診断確定には、「認知機能検査」および「画像検査」によってなされていることが必要となります。加齢による物忘れ・軽度認知障害(MCI)・アルコールを原因とする認知症などは対象となりませんので注意が必要です。
保障開始時期についての注意点
楽天生命の認知症保険は、保険契約の開始日から1年間の不担保期間があります。つまり、契約から1年間については、認知症と診断確定されても保険金を受け取ることができません。
もし契約開始から1年後の保障が始まる日(責任開始日)の前日までに認知症と診断確定された場合、給付金を受け取ることができず、契約は無効となり、それまでに払込んだ保険料は返金されることになります。
認知症保険に加入するなら早めがおすすめです
保障対応となる認知症
楽天生命の認知症保険では、「アルツハイマー型認知症」、「脳血管性認知症」、「レビー小体型認知症」を含む、所定の認知症を保障しています。
認知症は、原因となる疾病によっていくつかの種類に分けられますが、その中でも特に多いの「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」「レビー小体型認知症」は保障対象となっています。
ただし、楽天生命の認知症保険では、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)は保障対象外となっています。他の生命保険会社の認知症保険には、軽度認知障害も保障対象としている商品もあります。
例えば、日本生命の「認知症保障保険」では主契約で軽度認知障害も保障対象としています。他にも、ネオファースト生命の「認知症保険 to スマイル」では、特約を付けることで軽度認知障害に備えることができます。
同じ認知症保険でも、保険会社により保障内容が異なりますので、複数商品を比較したうえで加入を決めることをおすすめします。
複数保険会社の商品比較をする際は、何度でも無料で相談できるほけんのトータルプロフェッショナルがおすすめです。家計の状況や不安な疾病等を踏まえて丁寧なアドバイスをしてもらえます(オンラインも可)。
ぜひファイナンシャルプランナーに相談してみましょう!
特約の保障内容
特約① 無事故給付特約
無事故給付特約を付加することで、契約以後3年ごとの契約応当日の前日までに認知症と診断確定されず生存しているとき、無事故給付金を受け取ることができます。
無事故給付金の金額は、5万円・10万円から選択することができます。
3年毎に無事故ボーナスがもらえます
無事故給付金のおすすめの使い方
楽天生命の認知症保険の無事故給付金は、認知症予防のために使うことを企図して設定された特約となっています。
認知症の兆候を早期発見することにより、認知症の発症を遅らせることができます。そのため、無事故給付金は、認知症の兆候を検知するために使用することが大切です。
そこで、認知症の兆候を捉える「認知症検知サービスのアイシル(公式HP)」をおすすめします。
アイシルでは、利用者(高齢者)が食事や薬の服用状況につき専用端末でボタンを押すと、家族のスマホに状況がすぐ連動されます。家族は、認知機能の変化の状況を簡単に把握することができ、認知症の兆候を早期に検知することができます。
本当におすすめのサービスですので、是非検討してみてください!
特約② 介護給付特約
介護給付特約を付加することで、はじめて認知症と診断確定され、かつ、公的介護保険による要介護1以上と認定されたとき、要介護給付金を受け取ることができます(1回限り)。
要介護給付金は、100万円~2900万円の間で金額を選択することができます。
また、認知症と診断確定され、認知症診断給付金が支払われた場合には、以後の保険料の払込みは免除され、介護給付特約(払戻金なし)の保障は継続します。
自宅介護でも年間100万円の費用がかかります。保障を充実させるために介護給付特約の付加をおすすめします。
特約③ 精神疾患併発入院特約
精神疾患併発入院特約を付加することで、はじめて認知症と診断確定された後に、所定の精神疾患で入院したとき、精神疾患併発入院給付金を受け取ることができます。しかも、支払日数には制限がないため、条件に該当する限り保険金を受け取り続けることができます。
精神疾患併発入院給付金は、入院1日につき5,000円~20,000円の範囲で選ぶことができます。
また、認知症と診断確定され、認知症診断給付金が支払われた場合には、以後の保険料の払込みは免除され、精神疾患併発入院特約(払戻金なし)の保障は継続します。
なお、保障の対象となる精神疾患は、以下になります。
- 統合失調症、統合失調型障害及び妄想性障害
- 気分[感情]障害
- 神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害
- 摂食障害
- 非器質性睡眠障害
現役FPのおすすめプラン
楽天生命には3つの特約があり、どのプランにするか迷いますよね。
私がおすすめのプランを説明します。
プランは、保障の少ない方から、①お手頃プラン、②基本プラン、③安心プラン、の3つがあります。各プランの保障対象は以下の通りで、付加されている特約に違いがあります。
私のおすすめは、②基本プランです。基本プランには、主契約に加え、介護給付特約と無事故給付特約の2つの特約が付加されています。
上述の通り、認知症は要介護認定の原因の第一位となっており、認知症になると介護が必要になる、と理解することが大切です。そのため、認知症への備えとしては、認知症に対する保障に加え、介護への備えが必要となります。
認知症と介護に備える金額は、自宅介護を予定している場合は合計500万円程度が良いでしょう。介護費や治療費の支出の他、介護のための雇用調整による収入の減少にも備えることが大切です。
加えて、認知症を予防する観点から、認知症の兆候をいち早く検知するサービスにお金を使うため、「無事故給付特約」を付加することをおすすめします。認知症の兆候を検知するサービスは、「認知症検知サービスのアイシル」をおすすめします。
認知症保険の主な取扱い
- 契約年齢:50歳~75歳
- 保険期間・保険料払込期間:終身
- 保険料払込方法:月払、クレジットカード扱・口座振替扱
75歳まで入れます
認知症保険の告知項目
楽天生命の認知症保険は、認知症に関する4つの告知項目に答えるだけで、申込みするこができます。持病があっても告知項目に該当しなければ申込みできます。
① 現在、入院中ですか。
② 過去5年以内に、下表の病気で医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがありますか。
- アルツハイマー病
- レビー小体病
- ピック病・前頭側頭葉変性症
- パーキンソン病・パーキンソン症候群
- 脳卒中(脳出血・脳こうそく・くも膜下出血)
- 脳しゅよう
- 水頭症
- 精神疾患[うつ病・双極性障害(躁うつ病)・統合失調症・不安神経症など]
- アルコール依存症
③ 今までに、認知症、軽度認知障害(MCI)またはその疑いで、医師の診察・検査・治療・投薬を受けたことがありますか。
④ 今までに、公的介護保険の要介護・要支援認定を受けたことがありますか。あるいは申請中ですか。
持病があっても諦める必要はありません
しかも、医師の診査や健康診断・人間ドックの結果の提出は不要です。申し込み手続きも簡単です。
楽天生命の認知症保険の特徴
ここでは、楽天生命の認知症保険の3つの特徴について解説します。
特徴① 最大2%の楽天ポイントが毎月貯まる
楽天生命の認知症保険申込時に楽天IDを連携することで、保険料の1%の楽天ポイントを毎月獲得することができます!
さらに、保険料払込方法を楽天クレジットカードに設定することで、保険料の1%を毎月獲得することができます。
毎月保険料の2%の楽天ポイントがもらえるのは嬉しいですね。楽天ユーザーにはとてもおすすめです。
特徴② 最大3000万円の保障に備えられる
楽天生命の認知症保険では、認知症診断給付金と要介護給付金を合算して、最大3000万円まで備えることができます。保障金額は、生命保険業界でも最大級となっています。
特に、特別養護老人ホームや民間の有料老人ホームでの介護に備える場合には、初期費用として最低でも1,000万円は備えたいところです。長期間の施設入居の場合には、さらに費用が増えますので、大きな保険金額で備えることが必要となります。
特徴③ 充実した付加サービス
楽天生命の保険に加入すると、被保険者限定サービスとして、5つの無料健康相談サポートが付いてきます。概要は以下の通りですが、詳しくはこちら(公式HP)をご確認ください。
①24時間認知症サポートデスク
経験豊かな相談スタッフと、24時間年中無休で認知症に関するさまざまな質問・相談をすることができます。また、介護に関する質問・相談や専門医療機関の情報提供を受けることができます。
認知症や介護に関する不安の解消にご利用ください
②24時間健康サポートデスク
経験豊かな医師、保健師、看護師などを擁した相談スタッフから、健康・医療・介護・育児・メンタルヘルスなどに関する相談に24時間・年中無休体制で、きめ細かなアドバイスを受けることができます。
また、「医療機関情報」「専門医療情報」「健診・ドック施設」などの情報を受けることもできます。
③セカンドオピニオンデスク
各診療科領域における学会等で要職を経験した医師(特別顧問と評議員)とその医師が認め厳選した専門医から、現在の診断に対する見解や今後の治療方針等に意見をもらうことができます。
④こころのサポートデスク
精神的な悩みやこころの問題について、臨床心理士、精神保健福祉士等の心理カウンセラーから電話や面談によるカウンセリングを受けられるサービスです。
⑤糖尿病サポートデスク
経験豊かな保健師・看護師等の相談スタッフと、糖尿病やその予防、治療について相談することができます。また、必要に応じて医療機関の案内や専門医手配サービスを受けることができます。
楽天生命の認知症保険の保険料
それでは、気になる保険料について見ていきましょう!
認知症保険の保険料は、加入プランや設定保険金額により異なります。以下の保険料は、下記契約内容の場合の保険料になります。
- 全プラン共通:3年ごとのボーナス(無事故給付金)あり
- お手頃プラン:認知症診断給付金額 100万円/保険期間 終身/月払保険料
- 基本プラン:お手頃プラン+介護給付特約(払戻金なし)付加(要介護給付金額 100万円)
- 安心プラン:基本プラン+精神疾患併発入院特約(払戻金なし)付加(入院給付金日額 5,000円)
男性の保険料
女性の保険料
さらに、契約時以降は保険料は上がりません。
なお、ご自身の年齢の保険料を確認したい場合、こちら(公式HP)で保険料シミュレーションをすることができます。
加入時の注意点・デメリット
楽天生命の認知症保険は、4つの告知項目だけで加入でき、保険金額を最大3000万円まで設定できるおすすめの商品です。
しかし、加入時に確認すべき点がありますので、解説します。
① 軽度認知障害が保障対象外
楽天生命の認知症保険では、軽度認知障害(MCI)と診断された場合には保険金を受け取ることができません。
早期発見・早期対応により認知症の発症を遅らせることができますが、予防や治療には費用がかかります。そのため、他の生命保険会社の認知症保険の中には、軽度認知障害と診断された場合に保険金を受け取れる商品があります。
楽天生命の認知症保険では、軽度認知障害は保障対象外となっている点を踏まえ、他社商品と比較することをおすすめします。
このように生命保険商品は、保険会社によって細かい取扱いが異なります。ご自身に最適な商品を見つけるためには、経験豊かなファイナンシャルプランナーと納得いくまで相談するのが良いでしょう。ほけんのトータルプロフェッショナルなら何度でも相談無料ですので、安心してお問い合わせください。
② 楽天経済圏以外の人にはメリット少ない
楽天生命の認知症保険に加入すると、最大で保険料の2%分の楽天ポイントを受け取ることができ、楽天経済圏を活用している人にとってはお得な商品となっています。
一方、楽天ユーザーでない方にとっては、大きなメリットがありません。楽天クレジットカードを利用していない方にはあまりメリットがあるとは言えません。
認知症保険を販売している保険会社は多数ありますので、ご自身がこだわりたいポイントを踏まえて保険選びをすると良いでしょう。
まとめ
楽天生命の「認知症保険」について詳しく解説してきました。楽天生命の認知症保険は、4つの告知項目だけで加入でき、保険金額を最大3000万円まで設定できるおすすめの商品です。
一方で、軽度認知障害(MCI)が保障対象になっていないこと、楽天経済圏以外の人にはメリットが少ないことといった加入に際しての注意点もあります。また、他社の認知症保険には、骨折や入院など、高齢者に関するリスクに備える保障が付いている商品があります。
現役FPとして、他社の商品と比較した上で、ご自身に最もあったベストの保険を選ぶことをおすすめします
複雑な保険商品の中から1番自分にあった商品を選ぶことは簡単ではありません。
ご自身やご家族の状況を踏まえた納得のいく内容で加入するため、まずはファイナンシャルプランナーと相談することをおすすめします!ほけんのトータルプロフェッショナルなら、何度相談しても無料なのでおすすめです。
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